2010年7月3日土曜日

バーティゴ

 前回の話しで、雲の上と下でまるで違うと書きました。

 では雲の中はと言うと…?

 今日はインクラウドの話し

(写真は雲の中に入る直前)



 VFR、有視界の資格しかない我々でも、万が一の為の模擬計器飛行の訓練は何度かしましたね。

(写真は羽田の東京航空計器㈱内のフライトシミュレーター)

 特にシミュレーターで行う訓練は代表的なモノ。

 実機ではフードをかぶって外が見えない状態で、計器板の指示だけで飛んだりしましたね。

(写真は計器飛行の教本。セスナ172なので…)





(写真は羽田の全日空訓練センターでボーイング747のフライトシミュレーターをした時のパンフレット)




 でも実機で実際に雲の中に入ると顕れるのが、バーティゴ(Vertigo)と呼ばれる空間識失調。

 参考ですが、Wikipedia での空間識失調の説明です。
 URL : http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E9%96%93%E8%AD%98%E5%A4%B1%E8%AA%BF

 計器は正しいのに、一旦雲の中に入って自分の感覚との違いが生じると、計器の誤作動と判断してしまう恐ろしい錯覚。

 洋画『トップガン』の後につくられた、織田裕二主演の邦画『ベストガイ』と言う、航空自衛隊協力の映画をご存知の方いますか?

 F15のパイロットがスクランブル任務の帰りにバーティゴに陥ってしまうというモノ。

 これも参考ですが、Wikipedia でのこの映画の説明です。
 URL : http://ja.wikipedia.org/wiki/BEST_GUY

 ちなみに、You Tube ではこの映画の予告編が見られます。
 (但し、既に上映済みですが…)
 URL : http://www.youtube.com/watch?v=LyxxEClQBQI

 自分は計器飛行の資格がないので、あくまでも訓練上での出来事でしか経験ありませんが、ILSで着陸進入中、雲の中で外を見たって周りは真っ白けっけ(笑)

 そんな雲の中で右に20度旋回し着陸コースに乗せ、滑走路に正対しオンパス、オンコースであってもまだ傾いてる様な、まだ旋回してる様な、錯覚が起きるんです。

 すると、ホントにこの計器正しいの?と思う状態に陥ります。

 そこで関連の他の計器を見て総合的に判断し、壊れてないと結論し自分に言い聞かせるのですが、これは訓練という余裕があるワケです。

 実際に陥ったらパニックになりそうです。

 でも面白い事に、自分の感覚と計器表示の違いにモヤモヤしてても、雲の切れ間から地上がチラッと見えただけで、モヤモヤが一気に解消してしまうのが不思議な位です。

 ちなみに地表面付近で発生する雲の事を霧と表現され、性質は同じモノ。

 車でも霧の中を走るのは怖いですよね。

 (写真は視界100m以下の風景)

 旅客機は、着陸してくる速度でも約200km/h以上は出てますから一瞬の判断力を要するワケですね。

 梅雨空が続く、言わば天候のバーティゴ状態ですが、早く梅雨明けして、カラッとスッキリしたいものですね。